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2007年09月01日

●資料・書籍の紹介

1.基本の文献
● 『学習子どもの権利条約』
子どもの権利条約ネットワーク編 (日本評論社:1998年)
● 『季刊子どもの権利条約』
(エイデル研究所)
● 『子どもの権利条約学習の手引き』
子どもの権利条約ネットワーク責任編集 (エイデル研究所:1997年)
● 『子どもの権利マニュアル』
日弁連 (こうち書房:1991年)
● 『子どもの人権大辞典』
永井憲一・市川昭午監修 (エムティ出版:1996年)
● 『子どもの権利ネットワーキング'97 子どもの権利に関わるグループ・団体ガイド 全国相談機関リスト』
(クレヨンハウス:1996年)

2.条約の中身と役割
 条約全体を学ぶ      
● 『国連子どもの権利条約を読む』
大田尭 (岩波ブックレット156:1990年)
● 『子どもの権利条約を読み解く』
大田尭 (岩波書店:1996年)
● 『解説・子どもの権利条約(第2版)』
永井憲一・寺脇隆夫編 (日本評論社:1994年)
● 『今日から子どもの権利条約(改訂版)』
子どもの人権連 (1994年)
● 『新時代の子どもの権利(一部改訂版)』
喜多明人 (エイデル研究所:1995年)
● 『子どもの権利条約の研究』
永井憲一 (法政大学出版局:1992年)
● 『「子どもの権利条約」を読む』
鈴木祥蔵・山本健治編 (柘植書房:1993年)
● 『大人のための子どもの権利条約』
鈴木祥造・桂正孝・森実編 (解放出版社:1996年)
● 『子どもの権利条約-条約の実現のために』
日本子どもを守る会編 (草土文化:1995年)
● 『子どもの権利条約を深めるために 子どもの権利―報告・討論・資料』
明治学院大学法学部立法研究会編 (信山出版:1996年)
● 『逐条解説 児童の権利条約』
波多野里望 (有斐閣、1994年)
● 『児童の権利条約 その内容・課題と対応』
石川稔・森田明編 (日本評論社:1998年)
● 『新版 児童の権利条約』
下村哲夫 (時事通信社、1994年)
● 『日本教育法学会年報』
(21号「子どもの権利条約と教育法」1992年、25号「教育参加と子どもの権利条約」1996年など)
● 『児童の権利条約と学校の指導』
滝沢順ほか (日本加除出版:1995年)
● 『児童の権利条約』
高橋史郎編 (『現代のエスプリ』304号、1992年)

 条約批准と国内法制・裁判      
● 『提言(子どもの権利)基本法・条例』
日本教育法学会子どもの権利条約研究特別委員会編 (三省堂:1998年)
● 『子どもの権利条約と家族・福祉・教育・少年法』
日弁連 (こうち書房:1993年)
● 『憲法と子どもの権利条約』
広沢明 (エイデル研究所:1993年)
● 『自治体で取り組む子どもの権利条約』
永井憲一監修・子どもの人権連編 (明石書店:1997年)
● 『子どもの人権と裁判-子どもの権利条約に即して』
永井憲一編 (法政大学現代現代法研究所:1998年)
● 『子どもの権利条約の批准と日本の課題』
荒牧重人 (前掲『子どもの権利条約学習の手引き』所収)
● 『子どもの権利条約の実施と国際法の諸問題』
今井直 (前掲『子どもの権利条約の研究』所収)
● 『子どもの権利条約の国内実施』
横田洋三 (『自由と正義』1991年2月号)

 学校の課題      
● 『子どもの権利条約 学校は変わるのか』
教育科学研究会編 (国土社:1991年)
● 『かがやけ子どもの権利』
牧柾名 (新日本新書:1991年)
● 『生徒人権手帳』
平野裕二ほか (三一書房:1990年)
● 『学校に市民社会の風を―子どもの人権と親の「教育の自由」を考える』
中川明 (筑摩書房:1991年)
● 『「子どもの権利条約」から学校をみる』
竹内常一・三川満 (労働旬報社:1993年)
● 『新世紀の子どもと学校』
喜多明人 (エイデル研究所:1995年)
● 『子どもの権利条約実践ハンドブック』
三上明彦・林量俶・小笠原彩子編 (労働旬報社:1995年)
● 『子どもの権利条約実践ハンドブック』
日教組ほか編 (アドバンテージサーバー:1995年)

 障害児・マイノリティ      
● 『子どもの権利条約と障害児』
子どもの権利条約の趣旨を徹底する研究会編 (現代書館:1992年)
● 『ハンディを持つ子の権利』
小笠毅 (岩波ブックレット399:1996年)
● 『子どもの権利条約と日本のマイノリティの子どもたち』
反差別国際運動日本委員会編 (解放出版:1997年)
● 『日本にいる外国の子ども』
(「子どもの幸せ」92年11月臨増)
● 『日本で暮らす外国人の子どもたち』
自由人権協会 (赤石書店:1997年)

 意見表明・参加の権利      
● 『子どもの権利に関する条約案の法的課題』
世取山洋介 (『法律時報』61巻13号:1989年)
● 『子どもの権利条約の起草段階の研究』
藪本知二 (前掲『子どもの権利条約の研究』所収)
● 『子どもの権利条約における児童の意見表明権』
石川稔 (後掲56所収)
● 『子どもの参加の権利―〈市民としての子ども〉と権利条約』
喜多明人・坪井由実・林量俶・増山均編 (三省堂:1996年)
● 『Children's Participation』
R. A. Hart (Unicef:1992年)
● 『子どもの権利条約と学校参加』
勝野尚行 (法律文化社:1996年)
● 『坪井由実『アメリカ都市教育委員会制度の改革』
坪井由美 (頸草書房:1998年)
● 『教育参加と民主制』
小野田正利編 (風間書房:1996年)
● 『ドイツ学校経営の研究』
柳澤良明編 (亜紀書房:1996年)

 遊び・文化活動      
● 『「子どもの権利条約」と日本の子ども・子育て』
増山均 (部落問題研究所:1991年)
● 『子どもの文化権と文化的参加―ファンタジー空間の創造』
佐藤一子・増山均編 (第一書林:1995年)
● 『子どもの中の力と希望―「子どもの権利条約」がつなぐ子育て・教育・文化』
山下雅彦 (ミネルヴァ書房:1998年)

 福祉の課題      
● 『「子どもの権利条約」時代の児童福祉』全三巻
(一巻「子どもの世界と福祉」、二巻「子どもの生活と施設」、三巻「子どもの生活と援助」 ミネルヴァ書房:1996年)
● 『子どもの権利と児童福祉法』
許斐有 (信山社出版:1996年)
● 『子どもの権利条約と自動の福祉』
一番ヶ瀬康子ほか (『別冊発達』12号:1992年)

 家族問題      
● 『家族法における子どもの権利』
石川稔 (日本評論社:1995年)
● 『家族法から見た子どもの権利条約』
鈴木隆史 (『立正大学法学部創立十周年記念論集』日本評論社、1992年)

 少年司法     
● 『特集 子どもの権利条約』
(『自由と正義』91年2月号)
● 『少年司法と国際準則』
澤登俊夫ほか (三省堂:1991年)
● 『少年警察活動と子どもの人権(新版)』
日弁連子どもの権利委員会編 (日本評論社:1998年)

 人権救済・オンブズパーソン      
● 『Ombuswork for Children』
E. Verhellen, F. Spiesschaert編 (Acco,1991, この著書の部分訳が日弁連から『子どもの権利オンブズマン』と題して発行されている)
● 『A Voice for Children』
M. G. Flekky (Jessica Kingsley Publishers:1991年)

3.子どもが学ぶ
● 『子どもによる子どものための子どもの権利条約』
小口尚子・福岡鮎美・文 (小学館:1995年)
● 『みんなの権利条約』
喜田ゼミ・喜多明人編 (草土文化:1997年)
● 『こどものけんり「子どもの権利条約」子ども語訳』
名取弘文編 (雲母書房:1996年)
● 『わたしたちの独立宣言』
喜多明人 (ポプラ社:1992年)
● 『活かそう! 子どもの権利条約』
喜多明人 (ポプラ社:1997年)
● 『子ども発-知りたい国連子どもの権利条約』
伊藤書佳ほか (ジャパン・マシニスト:1990年)
● 『親子で読もうよ「子どもの権利条約」』
矢倉久泰 (ジャパン・マシニスト:1995年)
● 『子どもの幸せのための約束 親と子で読む・子どもの権利条約」』
クリネット徳島編 (教育開発研究所:1995年)
● 『ハンドブック 子どもの権利条約』
中野光・小笠原毅編 (岩波ジュニア新書270:1996年)
● 『こどもの権利 小学生向』『子どもの権利 中・高校生向』
小笠原毅監修(日本評論社:1995年)
● 『君たち、子どもの権利』
ヤコゴレフ(伊集院俊隆・菊池嘉人訳) (新読書社:1992年)

 マンガ版      
● 『マンガ子どもの権利条約―私たちの話を聞いて』
青森県 (青森県生活福祉部児童家庭課:1996年)
● 『ばくはつ英子 マンガ―学校生活と子どもの権利条約』
大阪弁護士会少年問題対策委員会編 (大阪弁護士協同組合:1994年)
● 『先生、やっぱりおかしい マンガで考える「子どもの権利条約」』
子どもの人権連 (1995年)
● 『子どもだって人間なんだぞ マンガ子どもの権利条約』
ヒューマンボイス (1994年)
● 『まんがで学習 よくわかる「子どもの権利条約」事典』
喜多明人・文、内田玉男・画 (あかね書房:1995年)

4.権利の教え方・学び方
● 『It's Only Right!』
S. Foutain (Unicef:1993年:日本ユニセフ協会訳『わたしの権利みんなの権利』)
● 『ユニセフの開発のための教育-地球市民を育てるための実践ハンドブック』
(日本ユニセフ協会:1998年)
● 『子どもの権利教育マニュアル』
セルビー、パイク (河内徳子・喜多明人・林量俶・岩川直樹訳:日本評論社:1995年)
● 『子どもの虐待防止力を育てる 子どもの権利とエンパワーメント』
女性ライフサイクル研究所編 (法政出版:1997年)

5.子どもの権利の実情
 世界の子ども      
● 『世界子供白書』
● 『子どもにはどんな地球を残しますか』
日本ユニセフ協会監訳 (福武書店:1991年)
● 『チルドレンズ・ライツ』
チルドレンズ・ライツ刊行委員会 (日本評論社:1989年)
● 『未来を奪われた子どもたち』
A・アルスブルック、A・スウィフト(甲斐田万智子訳) (赤石書店:1990年)
● 『アジアに生きる子どもたち』
松井やより (労働旬報:1991年)
● 『アジアの蝕まれる子ども』
「ストップ子ども売春の会」編 (明石書店:1996年)

 日本の子ども      
● 『ねえ きいて  ほんとのきもち―二五〇〇人の子どもとおとなのへんじ』
子どもと教育・文化を守る千葉県民の会編 (自治体研究社:1995年)
● 『子ども白書』
日本子どもを守る会 (草土文化)
● 『今どきのももたろう-探してみよう子ども時代』
「岡山県子ども白書」市民編集委員会編 (手帖舎:1995年)
● 『家庭の崩壊と子どもたち』
平湯真人編 (赤石書店:1997年)
● 『施設でくらす子どもたち』
平湯真人編 (赤石書店:1997年)
● 『マイノリティの子どもたち』
中川明編 (明石書店:1997年)
● 『医療と子どもの人権』
吉峯博康編 (赤石書店:1998年)
● 『日比国際児の人権と日本』
国際子ども権利センター編 (赤石書店:1998年)

 条約実施の検証と子どもの権利委員会     
● 『検証 子どもの権利条約』
子どもの権利条約フォーラム実行委員会編 (日本評論社:1997年)
● 『子どもの権利条約・日弁連レポート 問われる子どもの人権』
日本弁護士連合会編 (こうち書房:1997年)
● 『”豊かな国”日本社会における子ども期の喪失』
子どもの権利条約 市民・NGO報告書をつくる会編 (花伝社:199年7)
● 『子どもの権利条約 日本の課題95』
子どもの人権連・反差別国際運動日本委員会編 (労働教育センター:1989年)

6.条約の背景
 制定過程      
● 『なぜ、ポーランドは子どもの権利条約を提案したのか」
(『季刊教育法』92号・93号:1993年年)
● 『国連・子どもの権利条約生成過程の研究』
喜多明人 (『立正大学文学部研究紀要』5号:1992年)
● 『The United Nations Convention on the Rights of the Child : A Guide to the Travaux Preparatoires』
S. Detrick編 (Martinus Nijhoff Publishers:1992年)

 歴史的背景      
● 『子どもの権利とはなにか』
堀尾輝久 (岩波ブックレット72、1986年)
● 『人権としての教育』
堀尾輝久 (岩波書店:1991年)
● 『子どもの権利』
国民教育研究所編 (労働旬報社:1979年)
● 『The Rights of the Child and the Changing Image of Childhood』
P. E. Veerman (Martinus Nijhoff Publishers:1991年)
● 『International Documents on Children』
G. V. Bueren編 (Martinus Nijhoff Publishers:1993年)
● 『子どもの権利条約とコルチャック』
樋渡直哉 (ほるぷ出版:1994年)
● 『資料紹介:コルチャック著「子どもの権利の尊重」』
塚本智宏 (『季刊教育法』92・93号)

 国際人権と条約      
● 『教育条約集』
永井憲一監修・国際教育法研究会編 (三省堂:1987年)
● 『人権の国際的保障と子ども』
荒牧重人 (『日本教育法学会年報』19号:1990年)
● 『国際人権条約・宣言集』
田畑茂二郎ほか編 (東信堂:1990年)
● 『解説国際人権規約』
宮崎繁樹編 (日本評論社:1996年)
● 『国際女性条約・資料集』
国際女性法研究会編 (東信堂:1993年)
● 『女子差別撤廃条約注解』
国際女性の地位協会編 (向学社:1992年)

7.その他・外国の文献
● 『The Rights of the Child』
 (Bulletin of Human Rights:91.2.1992年)
● 『Implementation Handbook for Convention on the Rights』
(Unisef:198年)
● 『Monitoring Children's Rights』
E. Verheller編 (Martinus Nijhoff Publishers)
● 『the Convention on the Rights of the Child』
OL. J. Le Blanc (Univ. of Nebraska Press:1995年)
● 『The rights of the child - A European perspective』
(Council of Europe Publisuing:1996年)
● 『The International Journal of Children's Rights』
(Kluwer Law International)

2000年05月25日

●武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書

2000年5月25日
(平野裕二訳)

 この議定書の締約国は、
 子どもの権利の促進および保護のために努力しようとする広範な決意が存在することを示す、子どもの権利に関する条約に対する圧倒的な支持を心強く思い、
 子どもの権利が特別な保護を必要とすることを再確認し、かつ、いかなる区別もなく子どもの状況を継続的に改善することおよび平和および安全な状態のもとで子どもの発達および教育が行なわれることを求め、
 武力紛争が子どもに与える有害かつ広範な影響、およびこれが恒久的な平和、安全および発展に与える長期的な影響を憂慮し、
 武力紛争の状況下で子どもを攻撃目標とすること、および、学校および病院のように相当数の子どもがいることが通例である場所を含む、国際法に基づき保護された対象を直接攻撃することを非難し、
 国際刑事裁判所規程が採択されたこと、とりわけ、15歳未満の子どもを徴兵しもしくは軍隊に入隊させることまたは敵対行為に積極的に参加させるために使用することが国際的武力紛争においても非国際的武力紛争においても戦争犯罪に含められたことに留意し、
 したがって、子どもの権利に関する条約において認められた権利の実施をさらに強化するためには武力紛争への関与から子どもをいっそう保護する必要性があることを考慮し、
 子どもの権利に関する条約第1条が、この条約の適用上、子どもとは、子どもに適用される法律の下でより早く成年に達する場合を除き、18歳未満のすべての者をいうと規定していることに留意し、
 条約の選択議定書が、軍隊への徴募および敵対行為への参加が可能な年齢を引き上げることにより、子どもにかかわるあらゆる活動において子どもの最善の利益が第一義的に考慮されるという原則の実施に効果的に寄与することを確信し、
 1995年12月の赤十字/赤新月国際会議が、とくに、紛争当事者は18歳未満の子どもが敵対行為に参加しないことを確保するためにあらゆる実行可能な措置をとるよう勧告したことに留意し、
 とくに武力紛争において使用するための子どもの強制的または義務的徴募を禁ずる、最悪の形態の児童労働の禁止および廃絶のための即時行動に関するILO第182号条約が1999年6月に全会一致で採択されたことを歓迎し、
 国の軍隊とは異なる武装集団による国境内外の子どもの徴募、訓練および使用をもっとも重大な懸念とともに非難し、かつ、この点に関して子どもを徴募、訓練および使用する者の責任を認め、
 武力紛争の各当事者の、国際人道法の規定を遵守する義務を想起し、
 この議定書は、国際連合憲章(第51条を含む)および関連の人道法規範に掲げられた目的および原則を損なうものではないことを強調し、
 国際連合憲章に掲げられた目的および原則の全面的尊重および適用可能な人権文書の遵守に基礎を置く平和および安全な状態が、とくに武力紛争中および外国による占領中の子どもの全面的保護のために不可欠であることを心に留め、
 経済的または社会的地位またはジェンダーを理由としてこの議定書に反する徴募または敵対行為における使用の対象にとくになりやすい子どもの特別なニーズを認め、
 また、武力紛争への子どもの関与の経済的、社会的および政治的根本原因を考慮に入れる必要性にも注意し、
 この議定書の実施、ならびに武力紛争の被害を受けた子どもの身体的および心理的リハビリテーションおよび社会的再統合における国際協力を強化する必要があることを確信し、
 議定書の実施に関わる情報および教育プログラムの普及への、地域社会ならびにとくに子どもおよび被害を受けた子どもの参加を奨励し、
 次のとおり協定した。

第1条(18歳未満の者による敵対行為への直接参加の禁止)
 締約国は、自国の軍隊の18歳に満たない構成員が敵対行為に直接参加しないことを確保するためにあらゆる実行可能な措置をとる。

第2条(18歳未満の者の義務的徴募の禁止)
 締約国は、18歳に満たない者が自国の軍隊に義務的に徴募されないことを確保する。

第3条(自発的入隊に関する最低年齢の引上げおよび保障)
1.締約国は、当該条文に掲げられた原則を考慮しながら、自国の軍隊への自発的入隊に関する最低年齢を子どもの権利に関する条約第38条3項に定められた年齢よりも引き上げる。その際、当該条項に掲げられた原則を考慮し、かつ、条約に基づき18歳未満の者は特別な保護を受ける権利があることを認めるものとする。
2.各締約国は、この議定書の批准またはこの議定書への加入の際に、自国の軍隊への自発的入隊を認める最低年齢、および当該入隊が強制または威迫により行なわれないことを確保するためにとった保護措置の記述を記載した、拘束力のある宣言を寄託する。
3.自国の軍隊への18歳未満の者の自発的入隊を認める締約国は、最低限次のことを確保するための保護措置を維持する。
(a)当該入隊が真に自発的なものであること。
(b)当該入隊が、その者の親または法定保護者の、充分な情報を得たうえでの同意に基づいて行なわれること。
(c)当該の者が、当該軍務にともなう義務について全面的に情報を提供されること。
(d)当該の者が、国の軍務への受入れに先立ち、年齢に関して信頼できる証明を行なうこと。
4.各締約国は、国際連合事務総長にあてた通告により、いつでもその宣言を強化することができるものとし、同事務総長は、その強化をすべての締約国に通知する。当該通告は、同事務総長により受領された日に効力を生ずる。
5.この条の1に掲げられた、年齢を引き上げる義務は、子どもの権利に関する条約第28条および第29条にしたがって締約国の軍隊が運営または管理する学校には適用されない。

第4条(国の軍隊とは異なる武装集団)
1.国の軍隊とは異なる武装集団は、いかなる状況においても、18歳未満の者を徴募しまたは敵対行為において使用してはならない。
2.締約国は、そのような徴募および使用を防止するため、当該慣行を禁止および犯罪化するために必要な法的措置をとることを含むあらゆる実行可能な措置をとる。
3.この議定書にもとづくこの条の適用は、武力紛争のいかなる当事者の法的地位にも影響を及ぼすものではない。

第5条(既存の権利の確保)
 この議定書のいかなる規定も、締約国の法律または国際文書および国際人道法に含まれる規定であって子どもの権利の実現にいっそう貢献するものの適用を排除するものと解釈してはならない。

第6条(国内実施措置)
1.各締約国は、その管轄内においてこの議定書の規定の効果的実施および執行を確保するため、あらゆる必要な法的、行政的その他の措置をとる。
2.締約国は、この議定書の原則および規定を、適当な手段により、おとなおよび子どものいずれに対しても同様に広く知らせかつ促進することを約束する。
3.締約国は、その管轄内にある者でこの議定書に反して徴募されまたは敵対行為において使用された者が、除隊その他の方法により軍務から解放されることを確保するために、あらゆる実行可能な措置をとる。締約国は、必要な場合、このような者に対し、その身体的および心理的回復および社会的再統合のためのあらゆる適当な援助を与える。

第7条(国際協力)
1.締約国は、議定書に反するあらゆる活動の防止ならびにこの議定書に反する行為の被害を受けた者のリハビリテーションおよび社会的再統合におけるものも含むこの議定書の実施にあたって、技術的協力および財政的援助によるものも含めて協力する。当該援助および協力は、関係締約国および他の関連の国際機関との協議に基づいて行なわれる。
2.当該援助を行なう立場にある締約国は、既存の多国間、二国間その他のプログラムを通じ、またはとくに国際連合総会規則にしたがって設置された自発的基金を通じ、当該援助を提供する。

第8条(締約国の報告義務)
1.各締約国は、当該締約国について議定書が効力を生ずるときから2年以内に、議定書の規定を実施するためにとった措置(参加および徴募に関する規定を実施するためにとった措置を含む)に関する包括的な情報を提供する報告を、子どもの権利に関する委員会に提出する。
2.包括的な報告の提出後は、各締約国は、条約第44条にしたがって子どもの権利に関する委員会に提出する報告に、議定書の実施に関するすべての追加的な情報を含める。議定書の他の締約国は5年ごとに報告を提出する。
3.子どもの権利に関する委員会は、締約国に対し、この議定書の実施に関する追加的な情報を求めることができる。

第9条(署名・批准・加入)
1.この議定書は、条約の締約国または署名国であるすべての国による署名のために開放しておく。
2.この議定書は、批准されなければならず、またはすべての国による加入のために開放しておく。批准書または加入書は国際連合事務総長に寄託する。
3.国際連合事務総長は、条約および議定書の寄託者として、条約のすべての締約国および署名国に対し、第3条にしたがって行なわれた各宣言を通知する。

第10条(効力発生)
1.この議定書は、10番目の批准書または加入書の寄託ののち3か月で効力を生ずる。
2.この議定書は、その効力が生じたのちに批准しまたは加入する国については、その批准書または加入書が寄託された日ののち1か月で効力を生ずる。

第11条(廃棄)
1.いずれの締約国も、国際連合事務総長にあてた書面による通告により、いつでもこの議定書を廃棄できるものとし、同事務総長は、その後その廃棄を条約の他の締約国および署名国に通知する。廃棄は、国際連合事務総長が通告を受領した日ののち1年で効力を生ずる。しかしながら、廃棄しようとする締約国が当該期間の満了時に武力紛争に加わっている場合、当該廃棄は武力紛争が終了するまで効力を生じない。
2.当該廃棄は、その効力が生ずる日の前に生じたいかなる行為についても、この議定書に基づく義務から締約国を解放する効果を有しない。また、当該廃棄は、その効力が生ずる日の前にすでに委員会の検討対象となっているあらゆる問題の継続的検討を、いかなる形でも害するものではない。

第12条(改正)
1.いずれの締約国も、改正を提案し、かつ改正案を国際連合事務総長に提出することができる。同事務総長は、ただちに締約国に当該改正案を送付するものとし、当該提案の審議および投票のための締約国会議の開催についての賛否を示すよう要請する。当該改正案の送付の日から4か月以内に締約国の3分の1以上が会議の開催に賛成する場合には、同事務総長は、国際連合の主催のもとに会議を招集する。会議において出席しかつ投票する締約国の過半数によって採択された改正案は、承認のため、国際連合総会に提出する。
2.この条の1にしたがって採択された改正は、国際連合総会が承認し、かつ締約国の3分の2以上の多数が受託したときに、効力を生ずる。
3.改正は、効力が生じたときは、改正を受託した締約国を拘束するものとし、他の締約国は、改正前のこの議定書の規定(受託した従前の改正を含む)により引き続き拘束される。

第13条(正文)
1.この議定書は、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語およびスペイン語をひとしく正文とし、国際連合に寄託される。
2.国際連合事務総長は、この議定書の認証謄本を条約のすべての締約国および署名国に送付する。

※見出しは利用者の便宜のため訳者がつけたものであり、正文には含まれていない。また、改訳にあたり、山下恭弘「武力紛争における子どもの保護――子どもの権利条約選択議定書の成立」福岡大学法学叢集45巻2号(2000年)87頁以下を参照した。

●子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに関する選択議定書

2000年5月25日
(平野裕二訳)

 この議定書の締約国は、
 子どもの権利に関する条約の目的およびその規定、とくに第1条、第11条、第21条、第32条、第33条、第34条、第35条および第36条の実施をさらに達成するためには、子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーからの子どもの保護を保障するために締約国がとるべき措置を拡大することが適当であることを考慮し、
 また、子どもの権利に関する条約が、子どもが経済的搾取および危険があり、もしくはその教育を妨げ、またはその健康または身体的、精神的、霊的、道徳的もしくは社会的発達にとって有害となるおそれのあるいかなる労働に従事することからも保護される権利を認めていることも考慮し、
 子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーを目的とした国際的な子どもの取引が相当規模で行なわれかつ増加していることを重大に懸念し、
 子どもがとくに被害を受けやすいセックス・ツーリズムの慣行が広範に存在しかつ継続していることを、それが子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーを直接助長するものであるゆえに深く懸念し、
 女子を含む、とくに傷つきやすい立場に置かれた多くの集団は性的に搾取される危険がさらに高いこと、および性的に搾取された者のなかで女子が不相当に高い割合を占めていることを認め、
 インターネットその他の発展しつつある技術によって子どもポルノグラフィーがますます入手しやすくなっていることを懸念し、かつ、インターネット上の子どもポルノグラフィーとの闘いに関する国際会議(ウィーン、1999年)、とくに、子どもポルノグラフィーの製造、流通、輸出、送信、輸入、意図的な所持および広告を世界的に犯罪とするよう呼びかけ、かつ政府とインターネット産業間の協力およびパートナーシップを強化することの重要性を強調した同会議の結論を想起し、
 子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーの撲滅が、低開発、貧困、経済的格差、不公正な社会経済的構造、機能不全家族、教育の欠如、都市と非都市部間の移住、ジェンダーによる差別、成人の無責任な性行動、有害な伝統的慣行、武力紛争および子どもの取引を含む助長要因にとりくむホリスティックなアプローチをとることによって促進されるであろうことを信じ、
 また、子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに対する消費者の需要を減少させるためには公衆の意識を喚起する努力が必要であることも信じ、さらに、あらゆる主体間の地球規模のパートナーシップを強化しかつ国内レベルにおける法執行を向上させることが重要であることを信じ、
 国際養子縁組に関わる子どもの保護および協力に関するハーグ条約、子どもの奪取の民事面に関するハーグ条約、親の責任および子どもの保護のための措置に関わる管轄権、適用可能な法、承認、執行および協力に関するハーグ条約、および最悪の形態の児童労働の禁止および撲滅のための即時的行動に関するILO第 182号条約を含む、子どもの保護に関わる国際法文書の規定に留意し、
 子どもの権利の促進および保護に関して広範な決意が存在している証である、子どもの権利に関する条約に対する圧倒的な支持を心強く思い、
 子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーの防止のための行動計画ならびに1996年の子どもの商業的性的搾取に反対するストックホルム会議の宣言および行動綱領の規定、ならびに関係国際機関のその他の関連の決定および勧告を実施することの重要性を認め、
 子どもの保護および調和のとれた発達のためには各人民の伝統および文化的価値観が重要であることを正当に考慮し、
 次のとおり協定した。

第1条(子どもの売買等の禁止)
 締約国は、この議定書が規定する子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーを禁止する。

第2条(定義)
 この議定書の適用上、次の用語は次のことを意味する。
(a)子どもの売買とは、子どもが、いずれかの者または集団により、報酬または他の何らかの見返りと引換えに他の者に譲渡されるあらゆる行為または取引を意味する。
(b)子ども買春とは、報酬または他の何らかの形態の見返りと引換えに性的活動において子どもを使用することを意味する。
(c)子どもポルノグラフィーとは、実際のまたはそのように装ったあからさまな性的活動に従事する子どもをいかなる手段によるかは問わず描いたあらゆる表現、または主として性的目的で子どもの性的部位を描いたあらゆる表現を意味する。

第3条(立法上・行政上の措置)
1.各締約国は、最低限、次の行為および活動が、このような犯罪が国内でもしくは国境を越えてまたは個人的にもしくは組織的に行なわれるかを問わず、自国の刑法において全面的に対象とされることを確保する。
(a)第2条(a)で定義された子どもの売買との関連では、次の行為および活動。
(i) いかなる手段によるかは問わず、次の目的で子どもを提供し、引き渡しまたは受け取ること。
-子どもの性的搾取
-利得を目的とした子どもの臓器移植
-強制労働に子どもを従事させること
(ii) 養子縁組に関する適用可能な国際法文書に違反し、仲介者として不適切な形で子どもの養子縁組への同意を引き出すこと。
(b)第2条(b)で定義された子ども買春の目的で子どもを提供し、入手し、周旋しまたは供給すること。
(c)第2条(c)で定義された子どもポルノグラフィーを製造し、流通させ、配布し、輸入し、輸出し、提供し、販売し、または上記の目的で所持すること。
2.締約国の国内法の規定にしたがうことを条件として、前項のいずれかの行為の未遂および共謀または当該行為のいずれかへの参加に対しても同様のことが適用される。
3.各締約国は、当該犯罪を、その深刻な性質を考慮に入れた適切な刑罰によって処罰する。
4.自国の国内法の規定にしたがうことを条件として、各締約国は、適切な場合には、この条の1に定められた犯罪に関して法人の責任を定めるための措置をとる。締約国の法原則にしたがうことを条件として、当該法人の当該責任は刑事上、民事上または行政上のものとすることができる。
5.締約国は、子どもの養子縁組に関与するすべての者が適用可能な国際法文書にしたがって行動することを確保するためにあらゆる適切な立法上および行政上の措置をとる。

第4条(国内裁判権)
1.各締約国は、第3条の1に掲げられた犯罪が自国の領域においてまたは自国に登録された船舶もしくは航空機において行なわれた場合に当該犯罪に対する裁判権を設定するため、必要とされる措置をとる。
2.各締約国は、次の場合には、第3条の1に掲げられた犯罪に対する裁判権を設定するために必要とされる措置をとることができる。
a-罪を犯したと申し立てられている者が自国の国民または自国の領域に常居所を有する者である場合
b-被害者が自国の国民である場合
3.各締約国はまた、罪を犯したと申し立てられている者が自国の領域内におり、かつ当該犯罪が自国の国民によって行なわれたという理由でその者を他の締約国に引き渡さない場合、上記の犯罪に対する裁判権を設定するために必要とされる措置をとる。
4.この議定書は、国内法にしたがって行使されるいかなる刑事裁判権も排除するものではない。

第5条(犯罪人の引渡し)
1.第3条の1に掲げられた犯罪は、締約国間の現行のいかなる犯罪人引渡し条約にも引渡し犯罪として含まれていると見なされ、かつ、今後締約国間で締結されるあらゆる犯罪人引渡し条約に、当該条約に掲げられた条件にしたがって引渡し犯罪として含められる。
2.条約の存在を引渡しの条件としている締約国が、引渡し条約を締結していない他の締約国から引渡しの請求を受けた場合、当該締約国はこの議定書を当該犯罪に関わる引渡しの法的根拠と見なすことができる。引渡しは、被請求国の法律が定める条件にしたがって行なわれる。
3.条約の存在を引渡しの条件としていない締約国は、被請求国の法律が定める条件にしたがうことを条件として、締約国間で当該犯罪を引渡し犯罪と認める。
4.当該犯罪は、締約国間における引渡しの実行上、その発生地のみならず、第4条にしたがって裁判権を設定することを求められている国の領域においても行なわれたものとして取り扱われる。
5.第3条の1に掲げられた犯罪に関して引渡しの請求が行なわれ、かつ被請求国が当該犯罪者の国籍を理由として引渡しを行なわないまたは行なう意思を有しない場合、被請求国は当該事件を自国の権限ある機関に付託して訴追するために適切な措置をとる。

第6条(共助)
1.締約国は、第3条の1に掲げられた犯罪に関する捜査または刑事手続もしくは引渡し手続との関連で、手続のために必要な利用可能な証拠の入手における共助を含む最大限の共助を行なう。
2.締約国は、締約国間に存在する、司法共助に関するあらゆる条約その他の協定にしたがって前項にもとづく義務を履行する。そのような条約または協定が存在しない場合、締約国は自国の国内法にしたがって共助を行なう。

第7条(押収・没収・施設閉鎖)
 締約国は、自国の国内法の規定にしたがうことを条件として、次のことをする。
(a)適切な場合には次のものの押収および没収に対応するための措置をとること。
(i) この議定書にもとづく犯罪を行なうためまたはその便宜をはかるために用いられる、資料、資産その他の手段のような物品
(ii) 当該犯罪から生じる収益
(b)上記の物品または収益の押収または没収を求める他の締約国からの請求を実行すること。
(c)当該犯罪を行なうために用いられる施設を一時的または恒久的に閉鎖することを目的とした措置をとること。

第8条(被害を受けた子どもの保護)
1.締約国は、この議定書で禁じられた慣行の被害を受けた子どもの権利および利益を、とくに次のことによって刑事司法手続のあらゆる段階において保護するため、適切な措置をとる。
(a)被害を受けた子どもがとくに傷つきやすい立場に置かれていることを認めること、および、証人としての特別なニーズを含むその特別なニーズを認めるため手続を適合させること。
(b)被害を受けた子どもに対し、その権利、その役割ならびに訴訟手続の範囲、時期および進行について、およびその事件の処理について、告知すること。
(c)被害を受けた子どもの個人的利益が影響を受ける場合、その意見、ニーズおよび関心が、国内法の手続規則に一致する方法で訴訟手続において提出されかつ検討されることを認めること。
(d)法的手続全体を通じ、被害を受けた子どもに適切な支援サービスを提供すること。
(e)被害を受けた子どものプライバシーおよびアイデンティティを適切に保護し、かつ、被害を受けた子どもの特定につながりうる情報の不適切な流布を避けるため国内法にしたがって措置をとること。
(f)適切な場合には、被害を受けた子どもならびにその家族および子どもの側の証人に対し、脅迫および報復からの安全を確保すること。
(g)事件の処理、および被害を受けた子どもへの賠償を認めた命令の執行において不必要な遅延を避けること。
2.締約国は、被害者の実年齢が定かでないことにより、被害者の年齢を確定することを目的とした調査を含む刑事捜査の開始が妨げられないことを確保する。
3.締約国は、この議定書に掲げられた犯罪の被害を受けた子どもが刑事司法制度によって取り扱われるさい、子どもの最善の利益が第一義的に考慮されることを確保する。
4.締約国は、この議定書で禁じられた犯罪の被害を受けた子どもに対応する者を対象として、とくに法律および心理学に関する適切な訓練を確保するための措置をとる。
5.締約国は、適切な場合には、当該犯罪の防止ならびに(または)当該犯罪の被害を受けた子どもの保護およびリハビリテーションに従事する者および(または)機関の安全および不可侵性を保護するための措置をとる。
6.この条のいかなる規定も、罪を問われた者が公正な裁判を受ける権利を妨げまたはその権利と一致しないものとして解釈してはならない。

第9条(その他の実施措置)
1.締約国は、この議定書に掲げられた犯罪を防止するための法律、行政措置、社会政策およびプログラムを採用または強化し、実施しかつ普及する。このような慣行の被害をとくに受けやすい子どもを保護するため、特段の注意が払われるものとする。
2.締約国は、この議定書に掲げられた慣行の防止措置および有害な影響について、あらゆる適切な手段による情報提供、教育および訓練を通じ、子どもを含む公衆一般の意識を促進する。この条にもとづく義務を履行するにあたり、締約国は、国際的レベルにおけるものも含めて、そのような情報提供ならびに教育計画および訓練計画への、地域共同体ならびにとくに子どもおよび被害を受けた子どもの参加を奨励するものとする。
3.締約国は、当該犯罪の被害者に対し、その全面的な社会的再統合および全面的な身体的および心理的回復を含むあらゆる適切な援助を確保することを目的として、あらゆる実行可能な措置をとる。
4.締約国は、この議定書に掲げられた犯罪の被害を受けたすべての子どもが、法的に責任のある者に対して差別なく被害賠償を求める充分な手続にアクセスできることを確保する。
5.締約国は、この議定書に掲げられた犯罪を広告する資料の製造および配布を効果的に禁ずることを目的とした適切な措置をとる。

第10条(国際協力)
1.締約国は、子どもの売買、子ども買春、子どもポルノグラフィーおよび子どもを対象としたセックス・ツーリズムをともなう行為の防止、発見、捜査ならびに当該行為に責任を負う者の訴追および処罰のための国際協力を、多国間、地域間および二国間協定により強化するためあらゆる必要な措置をとる。締約国はまた、自国の公的機関、国内的および国際的非政府組織と国際機関間の国際的協力および調整も促進するものとする。
2.締約国は、被害を受けた子どもを、その身体的および心理的回復、社会的再統合および帰還に関して援助するための国際協力を促進する。
3.締約国は、子どもが子どもの売買、子ども買春、子どもポルノグラフィーおよび子どもを対象としたセックス・ツーリズムの慣行の被害を受けやすくなることを助長する、貧困および低開発のような根本的原因に対応するための国際協力の強化を促進する。
4.援助を与える立場にある締約国は、既存の多国間、地域間、二国間その他のプログラムを通じ、財政的、技術的その他の援助を提供する。

第11条(既存の権利の確保)
 この議定書のいかなる規定も、次のものに含まれる規定であって、子どもの権利の実現にいっそう貢献する規定に影響を及ぼすものではない。
(a)締約国の法
(b)締約国について効力を有する国際法

第12条(締約国の報告義務)
1.各締約国は、当該締約国について議定書が効力を生ずるときから2年以内に、議定書の規定を実施するために取った措置に関する包括的な情報を提供する報告を、子どもの権利に関する委員会に提出する。
2.包括的な報告の提出後は、各締約国は、条約第44条にしたがって子どもの権利に関する委員会に提出する報告に、議定書の実施に関するすべての追加的な情報を含める。議定書の他の締約国は5年ごとに報告を提出する。
3.子どもの権利に関する委員会は、締約国に対し、この議定書の実施に関する追加的な情報を求めることができる。

第13条(署名・批准・加入)
1.この議定書は、条約の締約国または署名国であるすべての国による署名のために開放しておく。
2.この議定書は、批准されなければならず、またはすべての国による加入のために開放しておく。批准書または加入書は国際連合事務総長に寄託する。

第14条(効力発生)
1.この議定書は、10番目の批准書または加入書の寄託ののち3か月で効力を生ずる。
2.この議定書は、効力が生じたのちに批准しまたは加入する国については、その批准書または加入書が寄託された日ののち1か月で効力を生ずる。

第15条(廃棄)
1.いずれの締約国も、国際連合事務総長にあてた書面による通告により、いつでもこの議定書を廃棄できるものとし、同事務総長は、その後その廃棄を条約の他の締約国およびすべての署名国に通知する。廃棄は、国際連合事務総長が通告を受領した日ののち1年で効力を生ずる。
2.当該廃棄は、その効力が生ずる日の前に生じたいかなる行為についても、この議定書に基づく義務から締約国を解放する効果を有しない。また、当該廃棄は、その効力が生ずる日の前にすでに委員会の検討対象となっているあらゆる問題の継続的検討を、いかなる形でも害するものではない。

第16条(改正)
1.いずれの締約国も、改正を提案し、かつ改正案を国際連合事務総長に提出することができる。同事務総長は、ただちに締約国に当該改正案を送付するものとし、当該提案の審議および投票のための締約国会議の開催についての賛否を示すよう要請する。当該改正案の送付の日から4か月以内に締約国の3分の1以上が会議の開催に賛成する場合には、同事務総長は、国際連合の主催のもとに会議を招集する。会議において出席しかつ投票する締約国の過半数によって採択された改正案は、承認のため、国際連合総会に提出する。
2.この条の1にしたがって採択された改正は、国際連合総会が承認し、かつ締約国の3分の2以上の多数が受託したときに、効力を生ずる。
3.改正は、効力が生じたときには、改正を受託した締約国を拘束するものとし、他の締約国は、改正前のこの議定書の規定(受託した従前の改正を含む)により引き続き拘束される。

第17条(正文)
1.この議定書は、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語およびスペイン語をひとしく正文とし、国際連合に寄託される。
2.国際連合事務総長は、この議定書の認証謄本を条約のすべての締約国および署名国に送付する。

※見出しは利用者の便宜のため訳者がつけたものであり、正文には含まれていない。

1989年11月20日

●子どもの権利に関する条約

(国際教育法研究会訳)
1989年11月20日国際連合総会採択

前文
 この条約の締約国は、国際連合憲章において宣明された原則に従い、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳および平等のかつ奪えない権利を認めることが世界における自由、正義および平和の基礎であることを考慮し、 国際連合の諸人民が、その憲章において、基本的人権ならびに人間の尊厳および価値についての信念を再確認し、かつ、社会の進歩および生活水準の向上をいっそう大きな自由の中で促進しようと決意したことに留意し、 国際連合が、世界人権宣言および国際人権規約において、全ての者は人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的もしくは社会的出身、財産、出生またはその他の地位 等によるいかなる種類の差別もなしに、そこに掲げるすべての権利および自由を有することを宣明しかつ同意したことを認め、 国際連合が、世界人権宣言において、子ども時代は特別のケアおよび援助を受ける資格のあることを宣明したことを想起し、 家族が、社会の基礎的集団として、ならびにそのすべての構成員とくに子どもの成長および福祉のための自然的環境として、その責任を地域社会において十分に果 たすことができるように必要な保護および援助が与えられるべきであることを確信し、子どもが、人格の全面 的かつ調和のとれた発達のために、家庭環境の下で、幸福、愛情および理解のある雰囲気の中で成長すべきであることを認め、 子どもが、十分に社会の中で個人としての生活を送れるようにすべきであり、かつ、国際連合憲章に宣明された理想の精神の下で、ならびにとくに平和、尊厳、寛容、自由、平等および連帯の精神の下で育てられるべきであることを考慮し、 子どもに特別なケアを及ぼす必要性が、1924年のジュネ-ブ子どもの権利宣言および国際連合総会が1959年11月20日に採択した子どもの権利宣言に述べられており、かつ、世界人権宣言、市民的及び政治的権利に関する国際規約(とくに第23条および第24条)、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際的規約(とくに第10条)、ならびに子どもの福祉に関係ある専門機関および国際機関の規程および関連文書において認められていることに留意し、 子どもの権利宣言において示されたように、「子どもは、身体的および精神的に未成熟であるため、出生前後に、適当な法的保護を含む特別 の保護およびケアを必要とする」ことに留意し、 国内的および国際的な里親託置および養子縁組にとくに関連した子どもの保護および福祉についての社会的および法的原則に関する宣言、少年司法運営のための国際連合最低基準規則(北京規則)、ならびに、緊急事態および武力紛争における女性および子どもの保護に関する宣言の条項を想起し、 とくに困難な条件の中で生活している子どもが世界のすべての国に存在していること、および、このような子どもが特別 の考慮を必要としていることを認め、子どもの保護および調和のとれた発達のためにそれぞれの人民の伝統および文化的価値の重要性を正当に考慮し、 すべての国、とくに発展途上国における子どもの生活条件改善のための国際協力の重要性を認め、次のとおり協定した。

第I部
第1条 (子どもの定義)
 この条約の適用上、子どもとは、18歳未満のすべての者をいう。ただし、子どもに適用される法律の下でより早く成年に達する場合は、この限りでない。

第2条 (差別の禁止)
1. 締約国は、その管轄内にある子ども一人一人に対して、子どもまたは親もしくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、民族的もしくは社会的出身、財産、障害、出生またはその他の地位 にかかわらず、いかなる種類の差別もなしに、この条約に掲げる権利を尊重しかつ確保する。
2. 締約国は、子どもが、親、法定保護者または家族構成員の地位、活動、表明した意見または信条を根拠とするあらゆる形態の差別 または処罰からも保護されることを確保するためにあらゆる適当な措置をとる。

第3条 (子どもの最善の利益)
1. 子どもにかかわるすべての活動において、その活動が公的もしくは私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関または立法機関によってなされたかどうかにかかわらず、子どもの最善の利益が第一次的に考慮される。
2. 締約国は、親、法定保護者または子どもに法的な責任を負う他の者の権利および義務を考慮しつつ、子どもに対してその福祉に必要な保護およびケアを確保することを約束し、この目的のために、あらゆる適当な立法上および行政上の措置をとる。
3. 締約国は、子どものケアまたは保護に責任を負う機関、サ-ビスおよび施設が、とくに安全および健康の領域、職員の数および適格性、ならびに職員の適正な監督について、権限ある機関により設定された基準に従うことを確保する。

第4条 (締約国の実施義務)
 締約国は、この条約において認められる権利の実施のためのあらゆる適当な立法上、行政上およびその他の措置をとる。経済的、社会的および文化的権利に関して、締約国は、自国の利用可能な手段を最大限に用いることにより、および必要な場合には、国際協力の枠組の中でこれらの措置をとる。

第5条 (親の指導の尊重)
 締約国は、親、または適当な場合には、地方的慣習で定められている拡大家族もしくは共同体の構成員、法定保護者もしくは子どもに法的な責任を負う他の者が、この条約において認められる権利を子どもが行使するにあたって、子どもの能力の発達と一致する方法で適当な指示および指導を行う責任、権利および義務を尊重する。

第6条 (生命への権利、生存・発達の確保)
1. 締約国は、すべての子どもが生命への固有の権利を有することを認める。
2. 締約国は、子どもの生存および発達を可能なかぎり最大限に確保する。

第7条 (名前・国籍を得る権利、親を知り養育される権利)
1. 子どもは、出生の後直ちに登録される。子どもは、出生の時から名前を持つ権利および国籍を取得する権利を有し、かつ、できるかぎりその親を知る権利および親によって養育される権利を有する。
2. 締約国は、とくに何らかの措置をとらなければ子どもが無国籍になる場合には、国内法および当該分野の関連する国際文書に基づく自国の義務に従い、これらの権利の実施を確保する。

第8条 (アイデンティティの保全)
1. 締約国は、子どもが、不法な干渉なしに、法によって認められた国籍、名前および家族関係を含むそのアイデンティティを保全する権利を尊重することを約束する。
2. 締約国は、子どもがそのアイデンティティの要素の一部または全部を違法に剥奪される場合には、迅速にそのアイデンティティを回復させるために適当な援助および保護を与える。

第9条 (親からの分離禁止と分離のための手続)
1. 締約国は、子どもが親の意思に反して親から分離されないことを確保する。ただし、権限ある機関が司法審査に服することを条件として、適用可能な法律および手続に従い、このような分離が子どもの最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。当該決定は、親によって子どもが虐待もしくは放任される場合、または親が別 れて生活し、子どもの居所が決定されなければならない場合などに特別に必要となる。
2. 1に基づくいかなる手続においても、すべての利害関係者は、当該手続に参加し、かつ自己の見解を周知させる機会が与えられる。
3. 締約国は、親の一方または双方から分離されている子どもが、子どもの最善の利益に反しないかぎり、定期的に親双方との個人的関係および直接の接触を保つ権利を尊重する。
4. このような分離が、親の一方もしくは双方または子どもの抑留、拘禁、流刑、追放または死亡(国家による拘束中に何らかの理由から生じた死亡も含む)など締約国によってとられた行為から生じる場合には、締約国は、申請に基づいて、親、子ども、または適当な場合には家族の他の構成員に対して、家族の不在者の所在に関する不可欠な情報を提供する。ただし、情報の提供が子どもの福祉を害する場合は、この限りではない。締約国は、さらに、当該申請の提出自体が関係者にいかなる不利な結果 ももたらさないことを確保する。

第10条 (家族再会のための出入国)
1. 家族再会を目的とする子どもまたは親の出入国の申請は、第9条1に基づく締約国の義務に従い、締約国によって積極的、人道的および迅速な方法で取り扱われる。締約国は、さらに、当該申請の提出が申請者および家族の構成員にいかなる不利な結果 ももたらさないことを確保する。
2. 異なる国々に居住する親をもつ子どもは、例外的な状況を除き、定期的に親双方との個人的関係および直接の接触を保つ権利を有する。締約国は、この目的のため、第9条1に基づく締約国の義務に従い、子どもおよび親が自国を含むいずれの国からも離れ、自国へ戻る権利を尊重する。いずれの国からも離れる権利は、法律で定める制限であって、国の安全、公の秩序、公衆の健康もしくは道徳、または他の者の権利および自由の保護のために必要とされ、かつこの条約において認められる他の権利と抵触しない制限のみに服する。

第11条 (国外不法移総送・不返還の防止)
1. 締約国は、子どもの国外不法移送および不返還と闘うための措置をとる。
2. この目的のため、締約国は、二国間もしくは多数国間の協定の締結または現行の協定への加入を促進する。

第12条 (意見表明権)
1. 締約国は、自己の見解をまとめる力のある子どもに対して、その子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を保障する。その際、子どもの見解が、その年齢および成熟に従い、正当に重視される。
2. この目的のため、子どもは、とくに、国内法の手続規則と一致する方法で、自己に影響を与えるいかなる司法的および行政的手続においても、直接にまたは代理人もしくは適当な団体を通 じて聴聞される機会を与えられる。

第13条 (表現・情報の自由)
1. 子どもは表現の自由への権利を有する。この権利は、国境にかかわりなく、口頭、手書きもしくは印刷、芸術の形態または子どもが選択する他のあらゆる方法により、あらゆる種類の情報および考えを求め、受け、かつ伝える自由を含む。
2. この権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ次の目的のために必要とされるものに限る。
a. 他の者の権利または信用の尊重
b. 国の安全、公の秩序または公衆の健康もしくは道徳の保護

第14条 (思想・良心・宗教の自由)
1. 締約国は、子どもの思想、良心および宗教の自由への権利を尊重する。
2. 締約国は、親および適当な場合には法定保護者が、子どもが自己の権利を行使するにあたって、子どもの能力の発達と一致する方法で子どもに指示を与える権利および義務を尊重する。
3. 宗教または信念を表明する自由については、法律で定める制限であって、公共の安全、公の秩序、公衆の健康もしくは道徳、または他の者の基本的な権利および自由を保護するために必要な制限のみを課することができる。

第15条 (結社・集会の自由)
1. 締約国は、子どもの結社の自由および平和的な集会の自由への権利を認める。
2. これらの権利の行使については、法律に従って課される制限であって、国の安全もしくは公共の安全、公の秩序、公衆の健康もしくは道徳の保護、または他の者の権利および自由の保護のために民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課することができない。

第16条 (プライバシィ・通信・名誉の保護)
1. いかなる子どもも、プライバシィ、家族、住居または通信を恣意的にまたは不法に干渉されず、かつ、名誉および信用を不法に攻撃されない。
2. 子どもは、このような干渉または攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する。

第17条 (適切な情報へのアクセス)
 締約国は、マスメディアの果たす重要な機能を認め、かつ、子どもが多様な国内的および国際的な情報源からの情報および資料、とくに自己の社会的、精神的および道徳的福祉ならびに心身の健康の促進を目的とした情報および資料へアクセスすることを確保する。 この目的のため、締約国は、次のことをする。
a. マスメディアが、子どもにとって社会的および文化的利益があり、かつ第29条の精神と合致する情報および資料を普及する事を奨励すること。
b. 多様な文化的、国内的および国際的な情報源からの当該情報および資料の作成、交換および普及について国際協力を奨励すること。
c. 子ども用図書の製作および普及を奨励すること。
d. マスメディアが、少数者集団に属する子どもまたは先住民である子どもの言語上のニーズをとくに配慮することを奨励すること。
e. 第13条および第18条の諸条項に留意し、子どもの福祉に有害な情報および資料から子どもを保護するための適当な指針の発展を奨励すること。

第18条 (親の第一次的養育責任と国の援助)
1. 締約国は、親双方が子どもの養育および発達に対する共通 の責任を有するという原則の承認を確保するために最善の努力を払う。親または場合によって法定保護者は、子どもの養育および発達に対する第一次的責任を有する。子どもの最善の利益が、親または法定保護者の基本的関心となる。
2. この条約に掲げる権利の保障および促進のために、締約国は、親および法定保護者が子どもの養育責任を果 たすにあたって適当な援助を与え、かつ、子どものケアのための機関、施設およびサービスの発展を確保する。
3. 締約国は、働く親をもつ子どもが、受ける資格のある保育サービスおよび保育施設から利益を得る権利を有することを確保するためにあらゆる適当な措置をとる。

第19条 (親による虐待・放任・搾取からの保護)
1. 締約国は、(両)親、法定保護者または子どもの養育をする他の者による子どもの養育中に、あらゆる形態の身体的または精神的な暴力、侵害または虐待、放任または怠慢な取扱い、性的虐待を含む不当な取扱いまたは搾取から子どもを保護するためにあらゆる適当な立法上、行政上、社会上および教育上の措置をとる。
2. 当該保護措置は、適当な場合には、子どもおよび子どもを養育する者に必要な援助を与える社会計画の確立、およびその他の形態の予防のための効果 的な手続、ならびに上記の子どもの不当な取扱いについての実例の認定、報告、照会、調査、処理および追跡調査のため、および適当な場合には、司法的関与のための効果 的な手続を含む。

第20条 (家庭環境を奪われた子どもの保護)
1. 一時的にもしくは恒常的に家庭環境を奪われた子ども、または、子どもの最善の利益に従えばその環境にとどまることが容認されえない子どもは、国によって与えられる特別 な保護および援助を受ける資格を有する。
2. 締約国は、国内法に従い、このような子どものための代替的養護を確保する。
3. 当該養護には、とりわけ、里親託置、イスラム法のカファラ、養子縁組、または必要な場合には子どもの養護に適した施設での措置を含むことができる。解決策を検討するときには、子どもの養育に継続性が望まれることについて、ならびに子どもの民族的、宗教的、文化的および言語的背景について正当な考慮を払う。

第21条 (養子縁組)
 養子縁組の制度を承認および(または)許容している締約国は、子どもの最善の利益が最高の考慮事項であることを確保し、次のことをする。
a. 子どもの養子縁組が権限ある機関によってのみ認可されることを確保すること。当該機関は、適用可能な法律および手続に従い、関連がありかつ信頼できるあらゆる情報に基づき、親、親族および法定保護者とかかわる子どもの地位 に鑑みて養子縁組が許容されることを決定する。必要があれば、当該養子縁組の関係者が、必要とされるカウンセリングに基づき、養子縁組に対して情報を得た上での同意を与えることを確保すること。
b. 国際養子縁組は、子どもが里親家族もしくは養親家族に託置されることができない場合、または子どもがいかなる適切な方法によってもその出身国において養護されることができない場合には、子どもの養護の代替的手段とみなすことができることを認めること。
c. 国際養子縁組された子どもが、国内養子縁組に関して存在しているのと同等の保障および基準を享受することを確保すること。
d. 国際養子縁組において、当該託置が関与する者の金銭上の不当な利得とならないことを確保するためにあらゆる適当な措置をとること。
e. 適当な場合には、二国間または多数国間の取決めまたは協定を締結することによってこの条の目的を促進し、かつ、この枠組の中で、子どもの他国への当該託置が権限ある機関または組織によって実行されることを確保するよう努力すること。

第22条 (難民の子どもの保護・援助)
1. 締約国は、難民の地位を得ようとする子ども、または、適用可能な国際法および国際手続または国内法および国内手続に従って難民とみなされる子どもが、親または他の者の同伴の有無にかかわらず、この条約および自国が締約国となっている他の国際人権文書または国際人道文書に掲げられた適用可能な権利を享受するにあたって、適当な保護および人道的な援助を受けることを確保するために適当な措置をとる。
2. この目的のため、締約国は、適当と認める場合、国際連合および他の権限ある政府間組織または国際連合と協力関係にある非政府組織が、このような子どもを保護しかつ援助するためのいかなる努力にも、および、家族との再会に必要な情報を得るために難民たる子どもの親または家族の他の構成員を追跡するためのいかなる努力にも、協力をする。親または家族の他の構成員を見つけることができない場合には、子どもは、何らかの理由により恒常的にまたは一時的に家庭環境を奪われた子どもと同一の、この条約に掲げられた保護が与えられる。

第23条 (障害児の権利)
1. 締約国は、精神的または身体的に障害を負う子どもが、尊厳を確保し、自立を促進し、かつ地域社会への積極的な参加を助長する条件の下で、十分かつ人間に値する生活を享受すべきであることを認める。
2. 締約国は、障害児の特別なケアへの権利を認め、かつ、利用可能な手段の下で、援助を受ける資格のある子どもおよびその養育に責任を負う者に対して、申請に基づく援助であって、子どもの条件および親または子どもを養育する他の者の状況に適した援助の拡充を奨励しかつ確保する。
3. 障害児の特別なニーズを認め、2に従い拡充された援助は、親または子どもを養育する他の者の財源を考慮しつつ、可能な場合にはいつでも無償で与えられる。その援助は、障害児が可能なかぎり全面 的な社会的統合ならびに文化的および精神的発達を含む個人の発達を達成することに貢献する方法で、教育、訓練、保健サービス、リハビリテーションサービス、雇用準備およびレクリエーションの機会に効果 的にアクセスしかつそれらを享受することを確保することを目的とする。
4. 締約国は、国際協力の精神の下で、障害児の予防保健ならびに医学的、心理学的および機能的治療の分野における適当な情報交換を促進する。その中には、締約国が当該分野においてその能力および技術を向上させ、かつ経験を拡大することを可能にするために、リハビリテーション教育および職業上のサービスの方法に関する情報の普及およびそれへのアクセスが含まれる。この点については、発展途上国のニーズに特別 な考慮を払う。

第24条 (健康・医療への権利)
1. 締約国は、到達可能な最高水準の健康の享受ならびに疾病の治療およびリハビリテーションのための便宜に対する子どもの権利を認める。締約国は、いかなる子どもも当該保健サービスへアクセスする権利を奪われないことを確保するよう努める。
2. 締約国は、この権利の完全な実施を追求し、とくに次の適当な措置をとる。
a. 乳幼児および子どもの死亡率を低下させること。
b. 基本保健の発展に重点をおいて、すべての子どもに対して必要な医療上の援助および保健を与えることを確保すること。
c. 環境汚染の危険およびおそれを考慮しつつ、とりわけ、直ちに利用可能な技術を適用し、かつ十分な栄養価のある食事および清潔な飲料水を供給することにより、基礎保健の枠組の中で疾病および栄養不良と闘うこと。
d. 母親のための出産前後の適当な保健を確保すること。
e. すべての社会構成員とくに親および子どもが子どもの健康および栄養の基礎的知識、母乳育児および衛生ならびに環境衛生の利益、ならびに事故の予防措置を活用するにあたって、情報が提供され、教育にアクセスし、かつ援助されることを確保すること。
f. 予防保健、親に対する指導、ならびに家庭計画の教育およびサービスを発展させること。
3. 締約国は、子どもの健康に有害な伝統的慣行を廃止するために、あらゆる効果 的でかつ適当な措置をとる。
4. 締約国は、この条の認める権利の完全な実現を漸進的に達成するために、国際協力を促進しかつ奨励することを約束する。この点については、発展途上国のニーズに特別 な考慮を払う。

第25条 (医療施設等に措置された子どもの定期的審査)
 締約国は、身体的または精神的な健康のケア、保護または治療のために権限ある機関によって措置されている子どもが、自己になされた治療についておよび自己の措置に関する他のあらゆる状況についての定期的審査を受ける権利を有することを認める。

第26条 (社会保障への権利)
1. 締約国は、すべての子どもに対して社会保険を含む社会保障を享受する権利を認め、かつ、国内法に従いこの権利の完全な実現を達成するために必要な措置をとる。
2. 当該給付については、適当な場合には、子どもおよびその扶養に責任を有している者の資力および状況を考慮し、かつ、子どもによってまた子どもに代わってなされた給付の申請に関する他のすべてを考慮しつつ行う。

第27条 (生活水準への権利)
1. 締約国は、身体的、心理的、精神的、道徳的および社会的発達のために十分な生活水準に対するすべての子どもの権利を認める。
2. (両)親または子どもに責任を負う他の者は、その能力および資力の範囲で、子どもの発達に必要な生活条件を確保する第一次的な責任を負う。
3. 締約国は、国内条件に従いかつ財源内において、この権利の実施のために、親および子どもに責任を負う他の者を援助するための適当な措置をとり、ならびに、必要な場合にはとくに栄養、衣服および住居に関して物的援助を行い、かつ援助計画を立てる。
4. 締約国は、親または子どもに財政的な責任を有している他の者から、自国内においてもおよび外国からでも子どもの扶養料を回復することを確保するためにあらゆる適当な措置をとる。とくに、子どもに財政的な責任を有している者が子どもと異なる国に居住している場合には、締約国は、国際協定への加入または締結ならびに他の適当な取決めの作成を促進する。

第28条 (教育への権利)
1. 締約国は、子どもの教育への権利を認め、かつ、漸進的におよび平等な機会に基づいてこの権利を達成するために、とくに次のことをする。
a. 初等教育を義務的なものとし、かつすべての者に対して無償とすること。
b. 一般教育および職業教育を含む種々の形態の中等教育の発展を奨励し、すべての子どもが利用可能でありかつアクセスできるようにし、ならびに、無償教育の導入および必要な場合には財政的援助の提供などの適当な措置をとること。
c. 高等教育を、すべての適当な方法により、能力に基づいてすべての者がアクセスできるものとすること。
d. 教育上および職業上の情報ならびに指導を、すべての子どもが利用可能でありかつアクセスできるものとすること。
e. 学校への定期的な出席および中途退学率の減少を奨励するための措置をとること。
2. 締約国は、学校懲戒が子どもの人間の尊厳と一致する方法で、かつこの条約に従って行われることを確保するためにあらゆる適当な措置をとる。
3. 締約国は、とくに、世界中の無知および非職字の根絶に貢献するために、かつ科学的および技術的知識ならびに最新の教育方法へのアクセスを助長するために、教育に関する問題について国際協力を促進しかつ奨励する。この点については、発展途上国のニーズに特別 の考慮を払う。

第29条 (教育の目的)
1. 締約国は、子どもの教育が次の目的で行われることに同意する。
a. 子どもの人格、才能ならびに精神的および身体的能力を最大限可能なまで発達させること。
b. 人権および基本的自由の尊重ならびに国際連合憲章に定める諸原則の尊重を発展させること。
c. 子どもの親、子ども自身の文化的アイデンティティ、言語および価値の尊重、子どもが居住している国および子どもの出身国の国民的価値の尊重、ならびに自己の文明と異なる文明の尊重を発展させること。
d. すべての諸人民間、民族的、国民的および宗教的集団ならびに先住民間の理解、平和、寛容、性の平等および友好の精神の下で、子どもが自由な社会において責任ある生活を送れるようにすること。
e. 自然環境の尊重を発展させること。
2. この条または第28条のいかなる規定も、個人および団体が教育機関を設置しかつ管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし、つねに、この条の1に定める原則が遵守されること、および当該教育機関において行われる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。

第30条 (少数者・先住民の子どもの権利)
 民族上、宗教上もしくは言語上の少数者、または先住民が存在する国においては、当該少数者または先住民に属する子どもは、自己の集団の他の構成員とともに、自己の文化を享受し、自己の宗教を信仰しかつ実践し、または自己の言語を使用する権利を否定されない。

第31条 (休息・余暇、遊び、文化的・芸術的生活への参加)
1. 締約国は、子どもが、休息しかつ余暇をもつ権利、その年齢にふさわしい遊びおよびレクリエーション的活動を行う権利、ならびに文化的生活および芸術に自由に参加する権利を認める。
2. 締約国は、子どもが文化的および芸術的生活に十分に参加する権利を尊重しかつ促進し、ならびに、文化的、芸術的、レクリエーション的および余暇的活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。

第32条 (経済的搾取・有害労働からの保護)
1. 締約国は、子どもが、経済的搾取から保護される権利、および、危険があり、その教育を妨げ、あるいはその健康または身体的、心理的、精神的、道徳的もしくは社会的発達にとって有害なるおそれのあるいかなる労働に就くことからも保護される権利を認める。
2. 締約国は、この条の実施を確保するための立法上、行政上、社会上および教育上の措置をとる。締約国は、この目的のため、他の国際文書の関連条項の留意しつつ、とくに次のことをする。
a. 最低就業年齢を規定すること。
b. 雇用時間および雇用条件について適当な規則を定めること。
c. この条の効果的実施を確保するための適当な罰則またはまたは他の制裁措置を規定すること。

第33条 (麻薬・向精神薬からの保護)
 締約国は、関連する国際条約に明示された麻薬および向精神薬の不法な使用から子どもを保護し、かつこのような物質の不法な生産および取引に子どもを利用させないために、立法上、行政上、社会上および教育上の措置を含むあらゆる適当な措置をとる。

第34条 (性的搾取・虐待からの保護)
 締約国は、あらゆる形態の性的搾取および性的虐待から子どもを保護することを約束する。これらの目的のため、締約国は、とくに次のことを防止するためのあらゆる適当な国内、二国間および多数国間の措置をとる。
a. 何らかの不法な性的行為に従事するよう子どもを勧誘または強制すること。
b. 売春または他の不法な性的行為に子どもを搾取的に使用すること。 c. ポルノ的な実演または題材に子どもを搾取的に使用すること。

第35条 (誘拐・売買・取引の防止)
 締約国は、いかなる目的またはいかなる形態を問わず、子どもの誘拐、売買または取引を防止するためにあらゆる適当な国内、二国間および多数国間の措置をとる。

第36条 (他のあらゆる形態の搾取からの保護)
 締約国は、子どもの福祉のいずれかの側面にとって有害となる他のあらゆる形態の搾取から子どもを保護する。

第37条 (死刑・拷問等の禁止、自由を奪われた子どもの適正な取り扱い)
 締約国は、次のことを確保する。
a. いかなる子どもも、拷問または他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱いもしくは刑罰を受けない。18歳未満の犯した犯罪に対して、死刑および釈放の可能性のない終身刑を科してはならない。
b. いかなる子どももその自由を不法にまたは恣意的に奪われない。子どもの逮捕、抑留または拘禁は、法律に従うものとし、最後の手段として、かつ最も短い適当な期間でのみ用いられる。
c. 自由を奪われたすべての子どもは、人道的におよび人間の固有の尊厳を尊重して取扱われ、かつその年齢に基づくニーズを考慮した方法で取扱われる。とくに、自由を奪われたすべての子どもは、子どもの最善の利益に従えば成人から分離すべきでないと判断される場合を除き、成人から分離されるものとし、かつ、特別 の事情のある場合を除き、通信および面会によって家族との接触を保つ権利を有する。
d. 自由を奪われたすべての子どもは、法的および他の適当な援助に速やかにアクセスする権利、ならびに、その自由の剥奪の合法性を裁判所または他の権限ある独立のかつ公平な機関において争い、かつ当該訴えに対する迅速な決定を求める権利を有する。

第38条 (武力紛争における子どもの保護)
1. 締約国は、武力紛争において自国に適用可能な国際人道法の規則で子どもに関連するものを尊重し、かつその尊重を確保することを約束する。
2. 締約国は、15歳に満たない者が敵対行為に直接参加しないことを確保するためにあらゆる可能な措置をとる。
3. 締約国は、15歳に満たないいかなる者も軍隊に徴募することを差控える。締約国は、15歳に達しているが18歳に満たない者の中から徴募を行うにあたっては、最年長の者を優先するよう努める。
4. 締約国は、武力紛争下における文民の保護のための国際人道法に基づく義務に従い、武力紛争の影響を受ける子どもの保護およびケアを確保するためにあらゆる可能な措置をとる。

第39条 (犠牲になった子どもの心身の回復と社会復帰)
 締約国は、あらゆる形態の放任、搾取または虐待の犠牲になった子ども、拷問または他のあらゆる形態の残虐な、非人道的なもしくは品位 を傷つける取扱いもしくは刑罰の犠牲になった子ども、あるいは、武力紛争の犠牲になった子どもが身体的および心理的回復ならびに社会復帰することを促進するためにあらゆる適当な措置をとる。当該回復および復帰は、子どもの健康、自尊心および尊厳を育くむ環境の中で行われる。

第40条 (少年司法)
1. 締約国は、刑法に違反したとして申し立てられ、罪を問われ、または認定された子どもが、尊厳および価値についての意識を促進するのにふさわしい方法で取扱われる権利を認める。当該方法は、他の者の人権および基本的自由の尊重を強化するものであり、ならびに、子どもの年齢、および子どもが社会復帰しかつ社会において建設的な役割を果 たすことの促進が望ましいことを考慮するものである。
2. 締約国は、この目的のため、国際文書の関連する条項に留意しつつ、とくに次のことを確保する。
a. いかなる子どもも、実行の時に国内法または国際法によって禁止されていなかった作為または不作為を理由として、刑法に違反したとして申し立てられ、罪を問われ、または認定されてはならない。
b. 法的に違反したとして申し立てられ、または罪を問われた子どもは、少なくとも次の保障をうける。
i. 法律に基づき有罪が立証されるまで無罪と推定されること。
ii. 自己に対する被疑事実を、迅速かつ直接的に、および適当な場合には親または法定保護者を通 じて告知されること。自己の防御の準備およびその提出にあたって法的または他の適当な援助をうけること。
iii. 権限ある独立のかつ公平な機関または司法機関により、法律に基づく公正な審理において、法的または他の適当な援助者の立会いの下で、および、とくに子どもの年齢または状況を考慮し、子どもの最善の利益にならないと判断される場合を除き、親または法定保護者の立会いの下で遅滞なく決定を受けること。
iv. 証言を強制され、または自白を強制されないこと。自己に不利な証人を尋問し、または当該証人に尋問を受けさせること。平等な条件の下で自己のための証人の出席および尋問を求めること。
v. 刑法に違反したと見なされた場合には、この決定および決定の結果科される措置が、法律に基づき、上級の権限ある独立のかつ公平な機関または司法機関によって再審理されること。
vi. 子どもが使用される言語を理解することまたは話すことができない場合は、無料で通 訳の援助を受けること。
vii. 手続のすべての段階において、プライバシィが十分に尊重されること。
3. 締約国は、刑法に違反したとして申し立てられ、罪を問われ、また認定された子どもに対して特別 に適用される法律、手続、機関および施設の確立を促進するよう努める。とくに次のことに努める。
a. 刑法に違反する能力を有しないと推定される最低年齢を確立すること。
b. 適当かつ望ましい時はつねに、人権および法的保障を十分に尊重することを条件として、このような子どもを司法的手続によらずに取扱う措置を確立すること。
4. ケア、指導および監督の命令、カウンセリング、保護観察、里親養護、教育および職業訓練のプログラムならびに施設内処遇に替わる他の代替的措置などの多様な処分は、子どもの福祉に適当で、かつ子どもの状況および罪のいずれにも見合う方法によって子どもが取扱われることを確保するために利用可能なものとする。

第41条 (既存の権利の確保)
 この条約のいかなる規定も、次のものに含まれる規定であって、子どもの権利の実現にいっそう貢献する規定に影響を及ぼすものではない。
a. 締約国の法
b. 締約国について効力を有する国際法

第II部
第42条 (条約広報義務)
 締約国は、この条約の原則および規定を、適当かつ積極的な手段により、大人のみならず子どもに対しても同様に、広く知らせることを約束する。

第43条 (子どもの権利委員会の設置)
1. この条約において約束された義務の実現を達成することにつき、締約国によってなされた進歩を審査するために、子どもの権利に関する委員会を設置する。委員会は、以下に定める任務を遂行する。
2. 委員会は、徳望が高く、かつこの条約が対象とする分野において能力を認められた10人の専門家で構成する。委員会の委員は、締約国の国民の中から締約国により選出されるものとし、個人の資格で職務を遂行する。その選出にあたっては、衝平な地理的配分ならびに主要な法体系に考慮を払う。
3. 委員会の委員は、締約国により指名された者の名簿の中から秘密投票により選出される。各締約国は、自国民の中から一人の者を指名することができる。
4. 委員会の委員の最初の選挙は、この条約の効力発生の日の後6箇月以内に行い、最初の選挙の後は2年ごとに行う。国際連合事務総長は、各選挙の日の遅くとも4箇月前までに、締約国に対し、自国が指名する者の氏名を2箇月以内に提出するよう書簡で要請する。同事務総長は、指名されたすべての者のアルファベット順による名簿(これらの者を指名した締約国名を表示した名簿とする)を作成し、締約国に送付する。
5. 委員会の委員の選挙は、国際連合事務総長により国際連合本部に招集される締約国の会合にて行う。この会合は、締約国の3分の2をもって定足数とする。この会合においては、出席しかつ投票する締約国の代表によって投じられた票の最多数でかつ過半数の票を得た者をもって、委員会に選出された委員とする。
6. 委員会の委員は、4年の任期で選出される。委員は、再指名された場合には、再選される資格を有する。最初の選挙において選出された委員のうち5人の委員の任期は、2年で終了する。これらの5人の委員は、最初の選挙の後直ちに、最初の選挙のための会合の議長によりくじ引きで選ばれる。
7. 委員会の委員が死亡しもしくは辞任し、またはそれ以外の理由のため委員会の職務をを遂行することができなくなったと申し出る場合には、当該委員を指名した締約国は、委員会の承認を条件として、残りの期間職務を遂行する他の専門家を自国民の中から任命する。
8. 委員会は、手続規則を定める。
9. 委員会は、役員を2年の任期で選出する。
10. 委員会の会合は、原則として国際連合本部または委員会が決定する他の適当な場所において開催する。委員会は、原則として毎年会合する。委員会の会合の期間は、国際連合総会の承認を条件として、この条約の締約国の会合によって決定され、必要があれば、再検討される。
11. 国際連合事務総長は、委員会がこの条約に定める任務を効果的に遂行するために必要な職員および便益を提供する。
12. この条約により設けられた委員会の委員は、国際連合総会の承認を得て、同総会が決定する条件に従い、国際連合の財源から報酬を受ける。

第44条 (締約国の報告義務)
1. 締約国は、次の場合に、この条約において認められる権利の実施のためにとった措置およびこれらの権利の享受についてもたらされた進歩に関する報告を、国際連合事務総長を通 じて、委員会に提出することを約束する。
a. 当該締約国ついてこの条約が効力を生ずる時から2年以内
b. その後は5年ごと
2. この条に基づいて作成される報告には、この条約に基づく義務の履行の程度に影響を及ぼす要因および障害が存在する場合は、それらを記載する。報告には、当該締約国におけるこの条約の実施について、委員が包括的に理解するための十分な報告もあわせて記載する。
3. 委員会に包括的な最初の報告を提出している締約国は、1(b) に従って提出される以後の報告においては、以前に提出した基本的な情報を繰り返し報告しなくてもよい。
4. 委員会は、締約国に対し、この条約の実施に関する追加的な情報を求めることができる。
5. 委員会は、その活動に関する報告を、2年ごとに経済社会理事会を通じて国際連合総会に提出する。
6. 締約国は、自国の報告を、国内において公衆に広く利用できるようにする。

第45条 (委員会の作業方法)
 この条約の実施を促進し、かつ、この条約が対象とする分野における国際協力を奨励するために、
a. 専門機関、国際連合児童基金および他の国際連合諸機関は、その権限の範囲内にある事項に関するこの条約の規定の実施についての検討に際し、代表を出す権利を有する。委員会は、専門機関、国際連合児童基金および他の資格のある団体に対し、その権限の範囲内にある領域におけるこの条約の実施について、適当と認める場合には、専門的助言を与えるよう要請することができる。委員会は、専門機関、国際連合児童基金および他の国際連合諸機関に対し、その活動の範囲内にある領域におけるこの条約の実施について報告を提出するよう要請することができる。
b. 委員会は、適当と認める場合には、技術的助言もしくは援助を要請しているか、またはこれらの必要性を指摘している締約国からの報告を、もしあればこれらの要請または指摘についての委員会の所見および提案とともに、専門機関、国際連合児童基金および他の資格のある団体に送付する。
c. 委員会は、国際連合事務総長が子どもの権利に関する特定の問題の研究を委員に代わって行うことを要請するよう、国際連合総会に勧告することができる。
d. 委員会は、この条約の第44条および第45条に従って得た情報に基づいて、提案および一般 的勧告を行うことができる。これらの提案および一般的勧告は、関係締約国に送付され、もしあれば締約国からのコメントとともに、国際連合総会に報告される。

第III部
第46条 (署名)
 この条約は、すべての国による署名のために解放しておく。

第47条 (批准)
 この条約は、批准されなければならない。批准書は、国際連合事務総長に寄託する。

第48条 (加入)
 この条約は、全ての国による加入のために解放しておく。加入書は、国際連合事務総長に寄託する。

第49条 (効力発生)
1. この条約は、20番目の批准書または加入書が国際連合事務総長に寄託された日の後30日目の日に効力を生ずる。
2. この条約は、20番目の批准書または加入書が寄託された後に批准しまたは加入する国については、その批准書または加入書が寄託された日の後30日目の日に効力を生ずる。

第50条 (改正)
1. いずれの締約国も、改正を提案し、かつ改正案を国際連合事務総長に提出することができる。同事務総長は、直ちに締約国に改正案を送付するものとし、締約国による改正案の審議および投票のための締約国会議の開催についての賛否を同事務総長に通 告するよう要請する。改正案の送付の日から4箇月以内に締約国の3分の1以上が会議の開催に賛成する場合には、同事務総長は、国際連合の主催の下に会議を招集する。会議において出席しかつ投票する締約国の過半数によって採択された改正案は、承認のため、国際連合総会に提出する。
2. この条の1に従って採択された改正案は、国際連合総会が承認し、かつ締約国の3分の2以上の多数が受諾した時に、効力を生ずる。
3. 改正は、効力を生じた時には、改正を受諾した締約国を拘束するものとし、他の締約国は、改正前のこの条約の規定(受諾した従前の改正を含む)により引き続き拘束される。

第51条 (留保)
1. 国際連合事務総長は、批准または加入の際に行われた留保の書面 を受領し、かつすべての国に送付する。
2. この条約の趣旨および目的と両立しない留保は認められない。
3. 留保は、国際連合事務総長にあてた通告により、いつでも撤回できるものとし、同事務総長は、その撤回をすべての国に通 報する。このようにして通報された通告は、受領された日に効力を生ずる。

第52条 (廃棄)
 締約国は、国際連合事務総長にあてた書面による通告により、この条約を廃棄することができる。廃棄は、同事務総長が通告を受領した日の後1年で効力を生ずる。

第53条 (寄託)
 国際連合事務総長は、この条約の寄託者として指定される。

第54条 (正文)
 この条文は、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語およびスペイン語をひとしく正文とし、原本は、国際連合事務総長に寄託する。